[投資哲学] 家庭内の投資教育

義務教育でも金融や投資の基本教育を行っても良いのではと思っています.


金融知識はますます重要
日本ではお金に関する話題はタブーな雰囲気がありますが, 基本的な金融知識は生きていくうえで必須ですしその重要度は増すばかりでしょう.


日本での金融教育
私の経験からの話で主観的ですが, 以下のような授業がありました.
小学生のころ, 社会の授業で株式市場が話題にあがりました. 家から持ってきた新聞の株式欄を見ながら先生がこういいました.




『日本にある大きな会社がここに載ってます. 横にある数字は会社の値段です. どの会社が一週間後に上がるか下がるか予想してみましょう.』


当時, 自分の予想が当たるか外れるかドキドキしながら一週間過ごしたことを覚えています. 株式市場に関心を持つための端緒を開くならばこの授業は合格でしょう. 実際に買っていなくても, 自分の予想が当たるのか外れるのか, それだけでもワクワクして楽しいかったものです.


しかし, 投資についての勉強を, その後の学校教育で受けた覚えは全くなく, 小学生でのこの授業が義務教育での金融教育の全てとなっています. 日々の値動きのみに焦点を当てた教育だけでは「株式=ギャンブル」の構図が出来上がって当然です. ですから, GPIF の出す評価損益に関するニュースが投資未経験者には実現損益のように捉えられ, 野党からの無用なバッシングの対象になったりするのです.

家庭内で投資教育をしよう
今後 10 年後も 20 年後も, もしかしたら 100 年たっても金融教育に対するあり方は変わらないかもしれません. ですが, 国は変わらなくても自らを変えることは容易です. ならば, 家庭内で両親が子に対する投資教育を担ってはいかがでしょうか. 周りの教育状況が変わらないなら, 基本的な知識を身に着けてもらうだけでも大きなアドバンテージとなるでしょう.


私は以下の 2 冊を用意しています.


1冊目は
お父さんが教える 13 歳からの金融入門


王道ですが, やはり一般からの評価が高い本はそれなりの理由があります.
平易な表現で幅広く事柄を扱っており, ざっくりと全体を把握するには最適な本です.
この本を読んで疑問に感じた事柄はその都度深く調べればよいと思います. 無知の知に気が付く良い機会になるものと思います. 日本の教育環境では無知の無知です. これではどうしようもありません.


この本は妻の役にも立っています. 金融については複利の知識しか持ち合わせていなかったため, 非常に関心を持って読み進めることができたとの事でした. 特に株式については『損をしたら借金を背負い, 全てを失うもの』と思っていたらしく, この誤解を解く良い機会になったようです.


『無知の知』とは
ソクラテスの言葉であり, 知らないことを知っている状態を指します. 自分の知識の限界を認識することで, 知への追及が始まります.


転じて
『無知の無知』とは
知らないことを知らないため, 知ろうとすることすらできない状態を指します. 知ってることが世の中のすべて, 自らが全知全能の神という状態です. これでは新しい知をもとめ自らを救う事ができないですね. 知らないことは無いことと一緒です.

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2冊目は
竹中平蔵 共書『経済ってそういうことだったのか会議』


今年で出版から 15 年が経ちましたが, 良書はやはり良書であり色あせることがありません.
この本には思い出があり, 大学初年度に経済への関心を徐々に寄せ始めた私に父が薦めてくれた本です. 自分が読み終わったものを私に譲ってくれました. 銀行員である父が会話のネタ, 一般教養として読んでいたのだと思います.


本書は, 当時, 金融担当大臣として活躍していた竹中平蔵氏と, 慶応義塾大学教授の佐藤 正彦氏との共書です. それなりに本書は話題となりました. 竹中氏はもともと同大学の教授です. 経済担当大臣として 2001 年から国政を担ってきましたが, 2010 年に大学へ戻り,  現在は名誉教授として同大学に在籍しています.


こちらの本も経済の仕組みを平易に表現され, しかも具体例が豊富に盛り込まれているためその理解を助けてくれます. 読みながら私は目から鱗が落ち続けていました. それまで触れたことのない世界にもかかわらず対話形式で話が進む本書に引き込まれ, 通しで読み終えてしまうくらいでした. 13 歳では少し早いかもしれませんが, 中学 3 年生にもなれば十分かと思います. 本人の状況を見ながら薦めてみるつもりです.



大切なのは関心を持てるように促すこと
勉強もそうですが, 共通することは最初は優しい読みやすいものから始め, 関心を持たせることです. 関心を持てば自ら調べ, 勉強していってくれると思います. 親ができることは, 先ずはその環境や機会を用意し, 子が感じた疑問, 調べ切れなかった事柄に真摯に向き合い, 共に考えて自分たちなりの答えを見つけることです. ゆくゆくは『株式投資の未来』などの本が読めるようになり, 会社のアニュアルレポートも読むようになるかもしれません. そのようになっていってくれればと思います.


自らも学習を続けよう
そのためには自身も学習を続けることが肝要に思います. 何をすべきか子供はいずれ自分でも決められるようになると思いますが, それでも最初のうちは何でも悩みますよね. そんな時, 子供が必要以上に遠回りするのを避けるように, 道を示してあげることも必要な時があります. そのためにも自らも学び続ける努力をしょう. なにより子の疑問にスマートに答えられたならかっこいいと思う下心もあります.


上手くいかなかった経験が大切
ふつうは上手くいった経験が大切ですが, 何をしたらうまくいかなかったのか, その経験と積み重ねは, 株式投資ではいずれ財産に変わります. 上手くいかなかった経験もしっかりと子供と共有してあげましょう. 私は共有する手段の一つとして, 今はこのブログという形式を利用しています.

まとめ
投資の必要性は増すことはあっても減ることは無いでしょう. そのような社会環境で投資についての向き合い方を教えるのも親の役目と思っています. 家庭も企業も永続性が重要です. 各家庭でそれぞれに何代も引き継がれるような投資教育が日本の家庭に根付いたら, 日本の将来は明るいと思っています. でもそんな未来はまだまだ先のことでしょう. 先ずは自らの家庭でそれを実践していきます.

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