バフェット指数と共に考える -売買代金総額/GDP は暴落開始のシグナルになりえるのか-

バフェット指数は株式投資家にはとてもなじみのある指数だと思います.
下記の式より導き出されます.

バフェット指数=株式時価総額/GDP (又はGNP) × 100

100 を超えた場合, 当該国の GDP 以上に時価総額が膨らんでおり, 市場が過熱している状態を表していると言われます. 下図の通り, 2000年の IT バブル崩壊, リーマンショック共に時価総額が 100 を超えて数年後に暴落しています.



 しかし, 本指数では市場の割高感は測れますが, いつ暴落するか予測することは不可能です. IT バブルでは 100 を超えてから暴落するまで 3 年, リーマンショックまでは 5 年かかっています. トランプラリーを含む今回の株価上昇では 100 を超えてから既に 8 年経過し疑心暗鬼の中投資を続けている方も多いのではないでしょうか.

今回以下の数値に注目してみました.

指数(%) =年間売買代金総額/GDP×100

本指数は GDPの何倍まで株価の売買金額が膨らんでいるかがわかり, バフェット指数同様市場の過熱感を表します.

本値は世界銀行にて公表されており, これをGDP, 時価総額と共にプロットしたのが以下のチャートです. 暴落前年に GDP比で売買代金総額が 300% 前後を示した翌年に大きく株価が暴落しています. データは 2015 年までです.
f:id:coo-came-from-faraway-the-sea:20170305223627p:plain市場が加熱し, 売りと買いが拮抗ているときには売買代金が膨らむためマーケットの山を示す一つの例となるのではと思います.
(グラフはgoogle スプレッドシートで作りました. クラウドは最高です. どこでも利用できます.)

以下に 2007 年および 2000 年のS&P 500 指数推移を示します.

2000 年前後4 年間のS&P500 チャートです
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2007 年前後 3 年間のチャートです

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データは Google finance からです.

2000 年, 2007 年共に, その年だけ切り取ると, チャートでは大きなトレンドの転換を見ることは難しいと思います.

しかし一方で両例ともに年間売買代金がGDP比 300% 前後に達しており, その翌年に指数が大きく下がっています. これは完全に経験則となりますが, 市場が大きな山を迎えていることを示す例として頭の片隅に留めておいても良いのではと思います.

 2000 年, 2007 年のみ偶然にも同じ結果となったのか, それとも来るべき暴落時も同様の傾向を示すのか, 今後のマーケットが教えてくれると思います. その時に改めて検証しようと思います.

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