教育国債の愚

最近教育無償化の議論が少し盛り上がっていますが、大学までを全員無償化し、その財源を国債発行で賄う案が出ています。これは愚策の何物でもないと私は考えます。



優秀な人材に育つ可能性が高い者が、家庭の事情で大学進学を諦めるなら、手厚い奨学金制度を用意して支援する価値があるでしょう。彼らはやがて払った額以上の納税をし、社会へ価値を提供し続けるでしょう。

一方で今回出ている議論のように皆一律に大学の高等教育を受ける価値はどれ程あるのでしょうか。本来高校を卒業し働いていたはずの人が、大学に進学することで、大学在学中の4年間と引き換えに就労して得られるはずの所得を失うわけです。
また、今でさえ大学で専門に学んだ分野を自らの職としている人は限られています。すでに大学生が量産されている状況です。これをさらに助長して何が得られるのでしょう。
高等教育は本人の意思で選択し学ぶものですが、望んだ者全てに、公費でその機会を与えるべき種類のものではありません。こんな政策では『あと4年遊べるし大学にいかなきゃ損』と思わせるだけです。おしなべて全員一律に公共サービスが提供できる時代は過ぎています。大学へ行きたい子の気持ち、大学へ行かしてやりたい親の気持ちも理解できますけどね。それでも限度があります。
こんな議論をする時間があるなら、早急に借与型ではない返済不要な本来の意味での奨学金を拡充し、優秀な人材が、しっかりと望む教育が受けられる環境を整えてやるべきです。
これが最も人道的で費用対効果の高い方法だと私は考えます。

投資とは直接関係のない記事でしたが、子が居る立場として無意味な国債増発は控えてほしいと思い記事にしました。








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