主要国, 新興国株式の PER (予想) を眺めてみる

こちらは主要国,地域, 新興国の PER で最高値, 最低値と直近の値 (12ヵ月後予想ベース) を並べて比較しています. 本データは 月刊 資料管理 (野村証券) を元に作成しています. 予想ベースの値ですから企業の増益予想等を織り込んだ値であることに注意が必要です. 参考程度に眺めるのが丁度いいですね.


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以下に図を示します.



日本や香港は一見最低値に近く出遅れているかの様に見えますが 2009 年 (PER 35.0 倍, 日本), 2007 年 (PER 28.3 倍, 香港) にそれぞれ記録した最高値が比較的高く, 現在の予想PERは 14.5 倍と日本株に割安感はありません. 普通ですね. 一方で香港は PER 8.4 倍と一見割安感がありますが, 新興国株はその分のリスクを割り引いて見る必要がありますから, 妥当な水準といったところです. 予想 PER は所詮予想にすぎません. 大手証券は今の市況をこのように捉えているんだなといったところです.

全体を通して一言で言えることは, 中途半端な時期だということです. 図としてまとめましたが何ともコメントに困る結果ですね. 取るべきスタンスとしては様子見といったところでしょうか.

今回の資料で少し驚いたのがトルコ株の堅調さです. トルコ経済は 2015 年には 6.1% の経済成長を達成したものの, 昨年 2016 年はクーデター未遂, テロ事件の増加による観光業不振により経済成長がマイナス 1.8% となっています. それにつられて 2017 年 1 月には通貨であるトルコリラが史上最安値である 3.94 リラ/ドルまで下落を示しました. この様な情勢下にあるトルコですが PER 9.4 倍を示し新興国株としては妥当な水準です.

現在の PER は?
ちなみに現在の日本株と米国株の PER は現在それぞれ, 日本 TOPIX 18.5 倍 (参照元 JPX, その他統計資料より) 米国 19.5 倍 (Yahoo Finance より) です. 中々高いですね. 全世界株 ETF といえる VT の PER は現在 (2017 年 7 月) 17 倍前後です (Yahoo Finance より). 半分が米国, 80% が米国含む先進国株で構成された ETF です. こちらもやはり積極的には買いづらい水準ですね.

先ほどの通り現在の PER について日米それぞれの値 (日 18.5 倍, 米 19.5 倍) を見ても割高であることは確かです.

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